剪定鋏|S型|山広作
研鑽され、辿り着いた形状
「剪定鋏|S型」は、盆栽の太い枝や枝ものなど、太枝を切るのに最適な鋏。お部屋に枝ものを飾る方や、庭木の剪定をする方にもおススメです。不要な枝を落とす際や、水上げ促進のために枝の切り戻しを行う際、太めの枝も容易に切り落とすことが可能。たいして力まなくても、「シャキンッ」という心地よい音とともに、軽々と枝を切り落とします。
「S型」とは持ち手の形状を指します。湾曲した形がSの字に見えることからそう呼ばれますが、この形状はより鋏を操作しやすく、疲れ難く、手にフィットするよう長年の研鑽の末にたどり着いた形。手に取り、握り込んだ時にその真価が分かります。
高品質な道具は、使用する度に良さを実感できます。一生ものと言える道具へのこだわりは、趣味をより深く楽しい世界へと導いてくれるでしょう。
(女性でも扱いやすい、比較的コンパクトなサイズ感もこの鋏の魅力です。)
(S型特有の持ちやすい形状)
「山形打刃物」手打ち、手研磨へのこだわり。
この鋏は手打ち手研磨により作られています。似た形状の鋏は数多く存在しますが、多くは機械研磨による量産の鋏。この鋏を造る工房にも機械研磨機はありますが、工房の隅で眠り続けています。「機械研磨の研ぎ跡が気に食わない。だから使わない。」と作り手の職人は一言。そしてこの工房では鋏の命と言える刃の裏面に
ひねり加工を加えることで、切断時の接地面を最小限に調整しています。その技術によって枝を切った際の心地よい”抜けの良さ”を実現し、切れ味もより長く持続します。この独特の技法により「山形剪定鋏は切れ味が落ちない」と業界でも評されています。
ちなみに、このひねり加工は機械研磨では実現不可能ですが、一見すると(素人目には)手研磨と機械研磨の差がわかりません。しかし使用すればその差は歴然とあり、まさに神は細部に宿っているのだと思い知らされます。
(山形県山形市には国内では数少ない鍛冶産業が残る。山形打刃物の発祥は延文元年(約六百二十年前)まで遡り、刀鍛冶の集落として栄えたことが起源。延々と受け継がれてきた技術は今の鋏造りにも活かされている。)
【使用上の注意点】
◯刃先の錆は切れ味や使用感を低下させる最大の原因です。使用後は汚れや水気をよく拭き取り保管しましょう。定期的に刃の表と裏にミシン油等を塗布し、時々カシメ部分にも塗布することで、切れ味の良さを維持できます。
全長:180mm
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錆防止・切れ味の持続に効果的な「刃物油」